不定期連載小説その4
『雪也くんのハッピーバースデー』


※この物語は多分フィクションではないかと思われます。
この物語に登場する人名、団体名、地名などは実在のものとはまったく関係がないかもしれません。
なお、この物語に対する苦情は一切受け付けませんのでご了承ください。
友龍のわけわからんノリについてこられなくとも、責任はとりません。
ってか、むしろこのノリについて来れる人はきっとどこかに問題がありますから(笑)、一日も早くまっとうな人間の道に戻られることをおすすめします。



 いまではない時、ここではない場所。
この物語は、ひとつのパラレルワールドを舞台にしている。(どっかで聞いたような出だしだな)
 そのファンタジーゾーンではヘンな…いやいや(笑)、風変わりな生き物達が、それぞれに生き、暮らしている。その国の名は、キセツノカオリ…。
 今回は、サボ同メンバーの雪也さんのお話なのですが、影の主役は…??



雪也「う〜ん。今日はいい天気だなぁ!へへへ。なんだか嬉しいな」
楯「あれ、雪也?なんだか嬉しそうだな。いいことでもあったのか?」

キセツノカオリ城の庭を昼の見回りしていた雪也の前に、同じく見回り当番で、他を回っていた楯が現れました。
楯は雪也の後輩ですが、入った時期も近く、良きライバルといったところです。

雪也「あ、楯。今日は僕の誕生日なんだよ。なんだか天気まで祝ってくれてるみたいで嬉しくてさ」
楯「えっ!?そうなのか?なんだよ、水臭いな。もっと早く言ってくれれば良かったのに」
雪也「ごめんごめん」

そんなやりとりをしていると、城の方から紅葉様が他のサボ同メンバーとともにやってきました。

紅葉「あれ、二人してどうしたんですか?」
楯「あ。紅葉様!こいつが、今日誕生日だって言うんですよ。もっと早く言ってくれれば祝ってやれたのに」
てっちゃん(語尾上がり)「えええ!?ゆっきー、誕生日なの!?プレゼント用意してないよ〜!ゲフッゴフッ!(吐血体操第一)」
華月「どうしましょうか?今からお茶会でもしますか?」

芝生を真紅に染めたてっちゃんの血をウォータージェットで洗い流しながら華月が紅葉さんに尋ねます。

紅葉「う〜ん…」

紅葉さんは少し悩んだ後、雪也に近づき、そっと抱き上げました。

紅葉「誕生日おめでとうございます、雪也さん♪いつもご苦労様です」
雪也「も、紅葉様…!(じ〜ん)」

自分だけに向けられた満面の笑顔。雪也は感激に胸を震わせました。
が、次の瞬間、体を走った悪寒に硬直します。

雪也(こ、これは…!?)

みればさつき爺がすごい形相で自分を睨んでいるではありませんか!!
その顔は如実に『わしの紅葉様になんてことを〜〜〜!!!!!(怒)』と物語っています。
身の危険を感じた雪也は、おろしてくれるよう紅葉さんに頼みました。

紅葉「あ。すいません。迷惑でしたか?」

紅葉さんが少し顔を曇らせます。
と、再びさつきから恐ろしいまでの黒いオーラが発せられました。
『紅葉様を悲しませるとは何事だ〜〜〜!!』という声が聞こえてきそうです。

雪也(ぼ、僕にどうしろっていうんだよ〜〜〜!!(泣))

心の中で叫びをあげる雪也。
そんな雪也を救ったのは、他ならぬ紅葉さんでした。

紅葉「やっぱりパーティはやりましょう。今からではたいしたことはできないかもしれないですけど、できる限りで用意したいです。さつきさん、皆さんを指揮して準備を整えていただけますか?」
さつき「は、はい!早速!!」

紅葉さんの頼みとなればさつきが断れるわけがありません。
雪也に黒いオーラを飛ばすのも忘れて駆け出していきました。

華月「…指揮をしろといわれたのにメンバーを置いていって、あの人は何をするつもりなんだ…?(汗)」

呆れ顔で華月はその後を追います。そして楯もそれについて行きました。
てっちゃん(語尾上がり)は、『プレゼント買ってくる』と言い残して吐血ジェットで猛スピードで街へと出かけていきました。

雪也「えっと。僕は何をすれなばいいのかな?」
紅葉「ダメですよ、雪也さんは主役なんですから。とりあえず私の部屋でお茶でも飲みましょうか」



そのすぐ後。
雪也は紅葉の部屋で紅葉の膝の上に乗りながら一緒にお茶を飲んでいました。
サボテンは体が小さいせいなのか、すっかり子ども扱いのようです。
雪也は嬉しいような悲しいような複雑な気持ちでしたが、とりあえず思ったことは、「なんだかさつきさんに悪いなぁ…」でした。なので、こう聞いて見ました。

雪也「紅葉様は、さつきさんのことどうおもいます?」
紅葉「面白い」

…即答でした。

雪也「いや、そうではなくて…(汗)。好きか嫌いかですよ」
紅葉「それはもちろん好きに決まってるじゃないですか」
雪也「そ、そうですか?よかっ…」

良かった、と言いかけた雪也の言葉を紅葉さんのつぶやきが遮ります。

紅葉「…ロリコンだし(ぼそっ)」
雪也「え!?(汗)い、今なんて??」
紅葉「やだなぁ、雪也さん。何も言ってませんよ?(ニッコリ♪)」
雪也「そ、そうですか??そ、空耳かな??」
紅葉「…中身は美形ってウワサもあるしキープしておくのも悪くないよね(さらにぼそっ)」
雪也「も、紅葉様…?(滝汗)中身って、僕らは元々こういう生き物で…」
紅葉「何も言ってませんってばvvvもっとヒトデ饅頭食べます?」
雪也「あ、はい。いただきます」

雪也は素直に紅葉が差し出したヒトデ饅頭にぱくつきます。

紅葉「でも、どうしてそんなこと聞くんですか??」
雪也「え!?いや、その…。さつきさんと紅葉様が仲良かったらいいなって思っただけで…」
紅葉「そうですか…。…さつき×紅葉カップリングか。私はさつきさんと友龍さんとかさつきさんと秋桜さんの方が興味あるけどなぁ…(ぼそぼそっ!)」
雪也「×…!?さつきさんと秋桜さん…!?」
紅葉「雪也さん、耳よすぎですよ♪独り言は聞き流してくださいねvv」
雪也「は、はい…!(怯)」

すぐ自分の頭上でつぶやかれたら聞こえちゃうよ、と思いつつも、触れてはいけないことのような気がして雪也は素直にうなずきました。
そして、なんとか当り障りのない普通の話題に戻そうとテーブルの上に置いてあった本に手を伸ばしました。

雪也「え〜と。さ、さすが紅葉様!本とかも読まれるんですね!どんなの読んでるんですか…?」
紅葉「あ、それ、日記…!!」
雪也「え!?」

紅葉さんが止めたときには時すでに遅く、雪也は日記を開いて中を見てしまっていました。
そこは「ロリコン」「マザコン」「萌え」「マニアック」「同人」などといった雪也には未知の領域の言葉でところせましと埋め尽くされていました。

雪也「………(硬直)。」
紅葉「…………………。」
雪也「………………………(石化)。」
紅葉「…………………………………。」
雪也「……………………………………(ブロンズ像)。」

しばらくの硬直。
紅葉さんは黙ったままテーブルの上の紅茶のカップに手を伸ばし、味わうようにゆっくりと飲み下しました。そして、再びカップをテーブルに戻すと口を開きました。

紅葉「…雪也さん」
雪也「は、はい!?」

紅葉「何も見てませんよね??(ニッコリvvv)」

雪也「は、はいっっ!!も、もちろんであります!!」

雪也は背筋をピンと伸ばしてそう答えました。
なんだか強烈にそうしなければいけないと感じたのです。
…それは、雪也の野生の勘が身の危機を告げていたからかもしれません…。



その夜はとても楽しいパーティでした。
紅葉さんの命令とあってさつきさんは全力をもってパーティのセッティングをしましたし、てっちゃん(語尾上がり)はプレゼントの特大ケーキを買ってきました。
ケーキをもってきた途端ケーキに向けててっちゃん(語尾上がり)が吐血しそうになりましたが、そこは楯が文字通り自分の体を楯にして守り、華月はそんな楯の体を拭いてやりました。みんな雪也の為に一生懸命パーティを盛り上げ、その夜キセツノカオリ城からは笑い声が絶えることはありませんでした。



その日雪也は故郷の両親に長い長い手紙をかきました。
サボ同にもだいぶなれたこと。
サボ同のメンバーは変わり者だけれど皆いい人だということ。
サボ同の後輩楯と親友になれそうだということ。
みんなに誕生日を祝ってもらったことなどです。そして、

紅葉様を守り、
葉っぱが枯れるまで仕える覚悟があること。
様々なクイズを出してくるシュレ一家に勝つため、
怖がらずに立ち向かうこと。
いつまでも皆と仲良くやっていきたいなどということもかかれていました。

ですが、その手紙の最後の部分…。
いつもの雪也らしくない思いつめたような文字で言葉少なにこう書かれていたそうです。

『お父さん、お母さん。僕は知ってはならないものを知ってしまったのかも知れません』
と…。



こうして結束を強めたサボ同。
実はこの雪也の出した手紙を、ヤギの郵便屋さんが食べてしまうというアクシデントもあったりしたのですが…。
しかし、それはまた、別の話。今回は、ここまでです♪



☆あとがき☆
はい、いかかでしたでしょうか?
今回は雪也の誕生日をテーマとしたサボ同のみんなの暖かなつながりを描いたハートフル・ストーリーですvvv(そうか?)
約束(?)どおり書きましたよ、紅葉ちゃん。
かなり早いけど紅葉ちゃんへの誕生日プレゼント代わりvv(笑)
今回あげたから3月30日には何もあげないよ〜♪(笑。っていうかそれまでこのサイトあるのか!?)
前回予告した『第2次サボテン砂漠の砂嵐大作戦』については次回書きますね。
ふぁぁ、眠…。やっぱり私には2時間睡眠はつらいです。今日は早めに寝よう…。では♪


8月22日。