不定期連載小説その2
『シュレ一家(偽)の新戦力!』


※この物語は多分フィクションではないかと思われます。
この物語に登場する人名、団体名、地名などは実在のものとはまったく関係がないかもしれません。
なお、この物語に対する苦情は一切受け付けませんのでご了承ください。
友龍のわけわからんノリについてこられなくとも、責任はとりません。
ってか、むしろこのノリについて来れる人はきっとどこかに問題がありますから(笑)、一日も早くまっとうな人間の道に戻られることをおすすめします。



 いまではない時、ここではない場所。
この物語は、ひとつのパラレルワールドを舞台にしている。(どっかで聞いたような出だしだな)
 そのファンタジーゾーンではヘンな…いやいや(笑)、風変わりな生き物達が、それぞれに生き、暮らしている。その国の名は、キセツノカオリ…。
 今回は、その国を侵略中の、シュレ一家のお話です。



 ここはどこかにあるシュレ一家の秘密の侵略会議室。
今日も今日とて姉弟の侵略会議が開かれています。


友龍「うう。どーして勝てないのよーっ!!」
秋桜「落ち着きなよ、ねーさん。それにこの間は勝ったじゃないか」

この間、というのはサボ同の華月と対決した時のこと。苦しい戦いでしたが、華月のわずかなミスでシュレ一家はかろうじて勝利を収めたのでした。

友龍「あんなザコサボテンに勝っても仕方ないのよっ!アタシの目的はあくまで紅葉さんを倒してこの国を手に入れることなんだから!」
秋桜「まぁ、それはそーだけど」
友龍「勝つために必死で敵のデータも集めたっていうのに!!」
秋桜「え!?いつの間に!で、どんな?」
友龍「この国の前の名前とか、紅葉さんの描いた絵のタイトルとか、この間紅葉さんが買ったヒトデ饅頭の数とか…」

指折り数えて言う姉に、秋桜は何故か大きなため息をつきました。

秋桜「何の役にたつんだよ…(汗)。ってか、それってほとんどストー○ーじゃ…って、うわぁっ!?」
友龍「殴られたいの?」
秋桜「もう殴ってるじゃないかぁ〜…(泣)」
友龍「大体ねぇ!弟のクセに真珠姫なカッコしてる変人にそんなこと言われたくないわよッ!」
秋桜「ねーさん。それは気にしちゃいけないことなんだよ」
友龍「気にするわっ!!」

どげしっ!!!
どこからか突然あらわれた巨大トゲトゲハンマーにどつかれた秋桜はその場に倒れふしました。

秋桜「…ね、ねーさん、いくらなんでも、トゲつきは…殺意を感じるよ…(泣)。ていうか、ソレ一体どこから出したのさ…?」
友龍「それこそ、気にしちゃいけないことなのよ」

では。ここで解説。
今のトゲトゲハンマーは友龍の4次元スカー…(飛来するトゲトゲハンマー)のわっ!?

友龍「気にするなといったでしょう…?(暗黒笑)」

ナ、ナレーターに手を出すなんて反則ですよぉ(泣)
うう。怖いのでほか行きます。サボ同の皆さんは何をしているのでしょうか…?


華月「今日はお城の舞踏会かぁ…。アレ?さつき殿、いったい何をしてるんです?」
さつき「ふふふ…。わしは灰かぶり…。カボチャの馬車さんこっちよ〜vvvv」
てっちゃん(語尾上がり)「ゲフッ!(吐血)き、気持ち悪い…。一体何してるんですかッ!?」
さつき「なんじゃ、知らんのか。この『しんでれら』という本を」
華月「は?」

華月は手だけは床の血を拭きながら、ぽかんと口を開けました。

さつき「継母たちにいじめられながらもけなげに生きる少女しんでれらが魔法使いの力で舞踏会へ行き、王子様と幸せになる話じゃ」
華月「そ、それが何か…?」
さつき「にぶいやつじゃな!!お城の王子様はこの国で言えば紅葉様!そして健気な少女しんでれらは日々紅葉様のために健気に働きつづけるらぶり〜ちゃ〜み〜なわしにピッタリではないか!きっと今宵の舞踏会ではわしと紅葉様の仲は急接近…vvvvきゃっ!爺恥ずかし〜〜(//////赤面)」
てっちゃん(語尾上がり)「ら、らぶり〜ちゃ〜み〜って…。ほんとに恥ずかしいよ…。って、はうっ!がふっぎふっぐふっげふっごふっ!(吐血5段活用)」

突然てっちゃん(語尾上がり)の首の後ろに針が飛んできて、てっちゃん(語尾上がり)は派手に吐血しました。

さつき「吐血のツボじゃ。まだわしの腕はおとろえていないようじゃな」
てっちゃん(語尾上がり)「さつきさん、ひどい…(泣)」
さつき「わしの紅葉様への純粋なる愛を馬鹿にするからじゃ!」
華月(純粋っていえば純粋だけど、ただ単に欲望に正直なだけなんじゃ…?)

華月はそう思いましたが、てっちゃん(語尾上がり)の二の舞にはなりたくないので、ただ黙って床の血を拭くのでした。


 そして舞踏会の夜。
続々と来賓が到着するなか、キセツノカオリ城の紅葉さんの部屋のバルコニーに暗躍する影がありました。

???「ふふふ…。とうとうこの日がやってきた。今日からこの国は私のものっ!紅葉さん、お覚悟っ!」
紅葉「えっ!?まさか友龍さん!?」

紅葉さんはこんな舞踏会の日にまで、うっとうしい侵略者がやってきたのかとうんざりしながら振り向きました。ところがそこに現れたのは友龍とは明らかに違う男の姿でした。

紅葉「あなたは…?」
緋雨「私はカスケード興産の緋雨!紅葉さんに挑戦状を出させていただきます!」
紅葉「…(またか…)」

思いっきりうんざりした顔で紅葉さんはうなずきました。

紅葉「…はぁ。わかりました。じゃあ、問題を…」
緋雨「ではいきますよっ!!」


 紅葉さんと緋雨が激闘をはじめたそのころ。
サボ同メンバーはまだ本拠地のミズイロノユメにいました。

てっちゃん(語尾上がり)「さつきさん、いい加減舞踏会行きましょうよ〜〜」
さつき「いや、もうちょっと待ってくれ!まだオーダーメイドのガラスの植木鉢が届いていないのじゃ!」
華月「ガラスの植木鉢って…(汗)本気でやる気ですかっ!?しかも何気にドレス姿だしっ!」
さつき「当然じゃ!今夜12時、わしの落とした植木鉢を紅葉様が拾って…!」

〜らぶらぶしんでれらinさつき爺どりーみんぐわーるど〜

『りーんごーん』
 容赦のない鐘の音が楽しい時間の終わりを告げる。
惹かれあう二人のささやかな甘いひと時の終わり…。

さつき「ごめんなさい、紅葉さん。僕はもう帰らなければなりません」
紅葉「そんな!何をおっしゃるのです!舞踏会はまだ始まったばかり!どうかもう一曲私と踊ってください…!」
さつき「僕もできることならそうしたい。だがダメなのです!もう帰らなければ…!」
紅葉「あっ、待って…!!」

走り去るさつき。だがさつきは急な階段に躓き、はいていたガラスの植木鉢が脱げてしまった。
しかし、取りに戻っている時間はない。さつきはそのまま走り去ったのだった。

紅葉「これは…あの人の…」

紅葉はガラスの植木鉢を拾うと、次の日国中にお触れを出しました。
『この植木鉢をはく事ができるサボテンを紅葉姫の婿にする』
紅葉さんを狙う男どもが何人も挑戦しましたが、履けるものは誰もいません。
ミズイロノユメのいじわる華月とてっちゃん(語尾上がり)も挑戦しましたがダメでした。

紅葉「さあ、残るはあなただけです。この植木鉢を…!」

するとどうでしょう!
ガラスの植木鉢はさつきにぴったりではありませんか!

紅葉「ああ、やっぱりあなたがあの時の人なのですね…vvv」
さつき「紅葉vvv」
紅葉「さつきさん…vvv」
さつき「紅葉……vvvvvv」

熱い視線を交し合う二人。触れ合う手と手。そして二人は熱いくちづ…


華月「いい加減にしてくださぁ〜〜〜〜〜〜いっ!!!」

聞くに堪えられなくなった華月が絶叫しました。

華月「なんですか、その展開はっ!?っていうか『僕』ってなんですか、僕って!若返るにもほどがありますよ!大体なんで私やてっちゃん(語尾上がり)がいじわる役なんですか!!」
さつき「なんじゃと!?どこがいけないというんじゃ!!許せん、減給じゃ〜〜〜〜〜っ!!」
華月「ええ!?そんな、ひどい。職権乱用ですよ〜〜(泣)」
さつき「わしがリーダーじゃ!(キッパリ)」
華月「はう…(泣)。でも、本当に早く行かないと。舞踏会のどさくさにまぎれてシュレ一家や別の新しい勢力も紅葉様を狙ってるって話なんですよ?」
さつき「くっくっく、わしにとっては友龍たちがつぶしあうのはかえって好都合じゃ。所詮どちらも侵略者!ならばお互いに傷つけ合ったところで二人をわしが仕留めるのが楽!爺、ナイスアイデア♪」
華月「言ってることがまるっきり悪役ゼリフだよ…」
さつき「何か言ったか?」

さつきは給料明細をこれ見よがしにひらひらさせながら尋ねます。

華月「いえ。何も(これ以上減給されたら生活ができん〜〜!!)」

減給が怖い華月はこの人には逆らうまいと心に決めたのでした。


 さて、所戻ってキセツノカオリ城。
紅葉「どうしよう…わからない…」
緋雨「ふふふ…。降参ですか…?」
紅葉「さつき爺…!」

祈る紅葉。そして不敵に勝ち誇る緋雨。だが!

???「ちょっと待ったぁーー!!」
緋雨「何奴!?」
紅葉「あ。友龍さん」

そう、そこへ現れたのはシュレ一家の友龍と秋桜でした。

友龍「 気に入らないわね…。紅葉さんはアタシの敵。とはいえ知った顔が知らない顔にいいようにされているって言うのは気に入らないわ!侵略の先駆者であるアタシに挑戦するとはいい度胸ね!返り討ちにしてあげるわ!」
緋雨「なんだと!?」
紅葉「友龍さん…。なんか今日『だけ』はすっごくいいひとに見える」
友龍「…今何気にとても失礼なことを言わなかったかしら?」
紅葉「いや。多分気のせいかと」
友龍「…まあ、いいわ。さあ、問題を出しなさい!どんな問題でもアタシが即答してみせるわ!」


またもや戻ってミズイロノユメ。

華月「やっと植木鉢届きましたね。早く行きましょうよ。あれ?そういえばさっきからてっちゃん(語尾上がり)殿が静かだけど…」
さつき「そうじゃな。む?華月よ。いつの間に赤いじゅうたんなど敷いたのじゃ?」
華月「え?じゅうたんなんて敷いてないですよ…って、うわあっ!!コレ、血です!てっちゃん(語尾上がり)が吐血した血なんですよっ!!」
てっちゃん(語尾上がり)「ゲフッゴフッゲフッ!ゲフッゴフッゲフッ!ゲフッゴフッグフッゲフッグフッゲフッゴハァっ!!(吐血三三七拍子)」

真紅のじゅうたんと思われたそれは、マシンガンのように連続で吐血をしつづけるてっちゃん(語尾上がり)の吐血なのでした。どうやら先程のさつき爺のどりーみんぐわーるどのショック(気持ち悪さ)がひどすぎたようです。

華月「し、死ぬな、てっちゃん(語尾上がり)殿ぉ〜〜〜!!!!」

華月は絶叫しながら床の血を拭き、さつきがてっちゃん(語尾上がり)を病院へと運ぶのでした。


そしてまたまたキセツノカオリ城。

友龍「どう?全問正解よ。恐れ入ったかしら…?」
緋雨「クッ!まさか返り討ちにされるとは…!」
紅葉「おお〜。友龍さん、すごいすごい!」

紅葉さんがいつの間にかテーブルに座ってヒトデ饅頭を片手にお茶を飲みながら褒め称えます。

友龍「ちょっと!人がクイズに答えてる間になにお茶飲んでくつろいでるのよっ!!」
紅葉「え?だって、暇だったし。友龍さんも食べる?」
友龍「……」
秋桜「それにしても物好きだね。侵略なんてするのはねーさんだけかと・・・って、うわっ!!」

またもやどこからか、今度は鎖のついたカマが飛んできました。

友龍「物好きは余計よ」
秋桜「こんどは刃物っ!?ほんとに殺す気なの!?」
友龍「死にたくなければ余計なことは言わないことね(ニヤリ)」
緋雨「…どうでもいいけど、無視するなぁっ!!私の…国中の麻婆豆腐独り占めの夢を壊しておきながらっ!!」
紅葉・秋桜「…は?」
緋雨「この国を手に入れて大好きな麻婆豆腐をお腹いいっぱい食べるのが夢だったのにぃ〜!!(泣)」

絶叫する緋雨にしばし呆然とする秋桜。紅葉さんは黙ってヒトデ饅頭をかじっています。

秋桜「ね、ねーさん、この人変…」
友龍「素晴らしいわ!」
秋桜「へ?」
友龍「麻婆豆腐は私も大好きよ!どう?ウチのチームに入らない?アタシたちが侵略に成功した暁には好きなだけ麻婆豆腐を食べさせてあげるわ!」
緋雨「ほ、本当ですか!?」
友龍「女に2言はないわ」
緋雨「くうぅ!わかりました!この緋雨、姐さんとぼっちゃんのため、シュレ一家の用心棒として頑張らせていただきます!!」

友龍の言葉に感動の涙を流す緋雨。
そして何故か突然アフロになって日本刀をかざしながらそう宣言するのでした。

友龍「ま、よろしくたのむわ」
秋桜「よ、よろしく…」

秋桜はそう緋雨に挨拶しながらも、「なんだかなぁ」と思わずにはいられないのでした。
ともあれ頼もしい新戦力がシュレ一家に加わったのです!
そして紅葉さんはといえば…。

紅葉「爺、来なかったなぁ…。一応頼りにしてたのに…」

おお、なんということでしょう!
なんという運命のいたずら!紅葉さんを思うが故にしんでれらに情熱を燃やしていたさつき爺は、逆にいつのまにか上がっていたらしい好感度を落としてしまったようです!しかもてっちゃん(語尾上がり)の血がついてしまったため結局ガラスの植木鉢を舞踏会にはいていく事もできなかったのでした。
さつき爺は紅葉さんの信頼を取り戻すことができるのか!?そして二人の仲の行方は…!?
しかし、それはまた、別の話。今回は、ここまでです♪



☆あとがき☆
う〜ん。やっぱり自分が出るとダメですな。自分をどれだけ壊せるかが勝負だと思ったんですが。
いまいち。やっぱ暴走役はさつきさんに限りますね!(笑)
もうちょっと修行してきます!やっぱりお笑いじゃ雪也さんにはかなわないです!
とりあえず次回予告で笑ってください。では♪


6月14日。