(前略)


テツヤ「アメリカ西海岸を突破し、
 コロラドまで進行。テスラ研を
 インスペクターから奪還する」

アイビス(いよいよ、
 フィリオ少佐達を助ける時が
 来たんだ……)

テツヤ「それを成功させるには、
 西海岸の敵防衛線をいち早く
 突破することが必要となる」
テツヤ「そこで……
 西海岸へ接近次第、
 先行部隊を出撃させる」
テツヤ「メンバーは
 アヤ大尉、マサキ、リューネ、
 アイビスだ」
テツヤ「お前達の役目は
 敵防衛線の突破……なお、指揮は
 アヤ大尉に執ってもらう」

アヤ「了解です。
 ……みんな、よろしくお願いね」


(中略)


レーツェル「アヤ大尉達の出撃と
 同じタイミングで……」
レーツェル「私とゼンガーをテスラ研へ
 先行させていただきたいのです」

アイビス「え……!?」

クスハ「お、お二人だけで……!?」

レーツェル「ああ。
 我が友との約束もある。それに……」

ゼンガー「我らは
 ある物を受け取らねばならんのだ」

ダイテツ「それはいったい?」

レーツェル「……ビアン・ゾルダーク博士の
 遺産です」

リューネ「親父の遺産だって!?」

レーツェル「そう、その名はダブルG……
 我らの新たなる力だ」

リューネ「ダブルG……?」

アイビス「テスラ研に
 そんな物があったなんて……
 知らなかったよ……」

クスハ「わ、私も……」


(中略)


レーツェル「では、アイビス……
 我らは一足先に友の所へ
 向かわせていただく」

アイビス「はい。
 あたし達も出来るだけ早く
 テスラ研へ行きます」


(中略)


マサキ「よっしゃ、突破成功!
 見えたぜ、アメリカ西海岸!」

シロ「マルとバツのパネルは
 ニャいのかニャ?」

クロ「シロ、クイズじゃニャいんだから」

マサキ「敵機が見当たらねえ……
 陽動が上手くいってるみてえだな」

アヤ「今、連邦軍が
 ハワイへ攻め込んでいるし……」
アヤ「ノイエDCの部隊もメキシコの
 東海岸に到達しているから、こっちは
 手薄になっているのかも知れないわ」

リューネ「ノイエDCの連中も
 なかなかやるもんだね」

マサキ「昨日の敵は今日の友、か。
 どうもスッキリしねえが、
 今回ばかりはありがてえぜ」

アイビス(スレイ……あんたも
 この作戦に参加してるの……?)


(中略)


アヤ「およそ6分後……!
 それまでにここの突破口を
 開かなきゃダメよ!」

マサキ「なら、足の速いサイバスターと
 アステリオンで突っ込むぜ。
 いいな、アイビス?」

アイビス「りょ、了解!」

マサキ「どうした?
 怖気づいたか、流星さんよ?」

アイビス「そんなことない!
 あたしだってやれる!」

マサキ「上等だ。遅れんなよ」

アイビス(あたしに
 力があれば、テスラ研を
 敵に渡すこともなかった……)
アイビス(あの時の悔しさを
 思い出すんだ……!)

マサキ「アヤ、どうだ?」

アヤ「わかったわ。二人とも、
 最短距離の突破口はあの位置よ!」
アヤ「今から6分以内に
 どちらかがあそこまで行って!」

マサキ「ああ、任せな!」

アイビス(やるんだ……!
 1分……いや、1秒でも早くフィリオ達を
 救い出す……!)
アイビス(そのために
 あたしの力でここを突破するんだ!)

マサキ「よ〜し……!
 風と流星、そのスピードを
 あいつらに思い知らせてやろうぜ!」

アイビス「了解!
 あたしとアステリオンなら、
 必ずやれる!!」


(中略)


アイビス「…行ける!
 このままなら何とか…!」

アヤ「時間の余裕はあまりないわ!
 早く突破口を……」

(念動力の音)

アヤ「!」
アヤ「まだ来るわ!!」

リューネ「ええっ!?」

シロ「そ、そんニャ!!」

(敵増援)

マサキ「くそっ!
 面倒な所に出て来やがって!」

シロ「こ、これじゃ、
 間に合わニャいニャ!」

アイビス「シロちゃん!
 あきらめちゃ駄目だよ!」
アイビス「あきらめたら
 そこで全てが終わっちゃう!!」

(通信)

スレイ「……相変わらずの
 楽観論だな、アイビス」

アイビス「え!?」

(BGM、流星、夜を切り裂いてに。スレイ登場)

アイビス「スレイ……!
 こんなタイミングで来るなんて!?」

スレイ「ブースト・ドライブ!
 駆けろ、カリオン!」

(敵機に接近)

スレイ「ターゲット・マルチロック!
 ファイヤリングロック・オープン!」

(敵増援を一気に撃破!)

アヤ「は、速い……!」

マサキ「あいつ、もしかして!?」

スレイ「………」

アイビス「スレイ……まさか……」
アイビス「あたしを助けてくれたの?」

スレイ「……勘違いするな、アイビス。
 私の最大の目的はテスラ研の奪還……
 そのためなら手段は選ばない」

アヤ「だから、
 私たちのアシストをすると?」

スレイ「そうだ。この場合、
 それが最も効果的な戦略だからな」

アイビス「……ありがとう、
 スレイ……」

スレイ「お前に礼を言われる筋はない。
 次に会う時は、また敵同士である事を
 忘れるなよ」

アイビス「それでもいい……」
アイビス「あんたがフィリオのことを
 ちゃんと想ってくれてるのが判っただけで
 あたし……嬉しいよ……」

スレイ「………」

マサキ「……話がついたようだな。
 だったら手伝ってもらうぜ、
 彗星さんよ」

スレイ「彗星……?」

シロ「ニャんで彗星ニャ?」

マサキ「流星のライバルなら、
 そんな感じだろ?それに、
 機体の色も赤だしさ」

シロ「じゃ、赤い彗……」

クロ「それ以上は危ニャいわよ。
 しかも、あの色……緋色でしょ?」

マサキ「ひいろ……。
 それもヤバいんじゃねえか?」

クロ「そ……そうかもニャ」

リューネ「何にせよ、マサキにしちゃ
 まともなネーミングだね」

スレイ「彗星か……悪くない呼び名だ」
スレイ「ならば、
 流星との違いを見せてやろう!」


(マサキが突破口に到達)
マサキ「よし、突破口を開いたぞ!!」

スレイ「ふん……やはり流星では
 無理な任務だったようだな」

アイビス「一番乗りが誰かなんて
 関係ないよ、スレイ」

アイビス「あたし達はみんなで
 この作戦に参加しているんだからさ」

スレイ「………」

(以下アヤの台詞に続く)


(アイビスが突破口に到達)
アイビス「やった……やったよ!
 あたし……出来たんだ!」

スレイ「私のアシストがあったんだ。
 当然の結果だ」

アイビス「ありがとう、スレイ!
 あんたはやっぱりナンバー01だよ!」

スレイ「あ……ああ……」

アヤ「みんな、
 ハガネとヒリュウが来たわ!」

(ハガネとヒリュウ登場)

レフィーナ「各機、出撃してください!」

(出撃)

スレイ「ハガネとヒリュウが来たか…」

クスハ「あ、あのカリオンは……!」

レオナ「スレイ……!
 スレイ・プレスティではなくて?」

スレイ「……お前たちが合流したなら
 私の助力も必要ないだろう」

レオナ「あなたはまだそんなことを…!」

スレイ「……お前なら私の気持ちが
 わかると思ったが……感傷だったか」

ツグミ「スレイ、あなた……!」

スレイ「さすがだな、タカクラチーフ。
 ここまでアイビスを鍛え上げるとは」

ツグミ「私のコーチングは些細な事……
 全てはアイビス個人の努力の結果です」

スレイ「ツグミ、
 お前はいい調教師になれる。
 駄馬に駆け足を仕込んだのだからな」

アイビス「スレイ……!」

スレイ「仲良しゴッコは終わりだ!」
スレイ「次は思い知らせてやる!
 お前が幾らトレーニングを積もうと
 私には勝てないことをな!」

ツグミ「待って、スレイ!
 一緒にテスラ研を……」

スレイ「兄様にも伝えておけ!
 ナンバー04などに夢を託しても
 最初から無駄だということを!」

(カリオン去る)
アイビス「スレイ……」
アイビス「あんた……馬鹿だよ……」

ツグミ(気づいて、スレイ……。
 あなたがナンバー01の地位に
 固執している限り……)
ツグミ(何度、撃墜されようと
 アイビスの心はあなたに負けることは
 ないわ……)

(後略)