おばあさんと少女
サイト日記で書いたものそのまんまです(笑)
前置きとしては…(以下日記抜粋)

繰り返し受けたのは「孫への届け物」なんですが、これがもう!
おばあさんの手作りお菓子を孫の少女へ届けるんですが。

…一瞬殺意を覚えました(おぃw)
おばあさんは「孫が喜ぶと思って」って言って心を込めて手作りしたんだぞ!!
それを…それをっ!!(涙)
食え!今すぐ感謝の涙を流しながら食えっ!!
このやろう、このやろう…
お前は魔女の宅急便の例の少女かーーーーーーーッ!!!(笑)
思わず雨の中ほうきに乗って届けたくなったじゃないですかw
いや、ぬーぬーはほうきなんて高価なものもってませんがw
何気にあのシーンは個人的に宮崎アニメの中でもっとも胸が痛いシーンだったりします…
おばあさんの気持ちが踏みにじられるのダメなので、私(^^;)
でも、落ち着け。クールになるんだぬーぬー!これはECOだ。ハートフルなんだ。
そんな胸の痛い展開になんかなるはずがないんだッ!!
…と、いうわけで突発ミニSS(ぇw)




 かけだしぼうけんしゃのぬーぬーは、お届けもののクエストをうけておばあさんのもとへむかいました。
ぬーぬーがおばあさんのもとへいくと、「あなたがとどけてくれるのね」とおばあさんはとても喜びました。
「孫がよろこぶとおもってね、私の手作りなの」
渡されたのはおいしそうなビスケットとキャンディー。
かわいい包装紙に包まれたそれを、ぬーぬーは大事そうに抱えると、少女のもとへむかいました。
女の子のよろこぶ顔が見たくて。それをおばあさんに伝えてあげたくて。
だけど、荷物を受け取った少女は言いました。
「私に?ふぅん、ご苦労様。でも、これ嫌いなのよ」
……そんなのって、ない。
おばあさんが心を込めて作ったものなのに。
こんな台詞、おばあさんに伝えられるわけがありません。
…荷物を届ければそれで依頼は終了です。
ぬーぬーはおばあさんに女の子の感想を伝えようと思っていましたが、諦めて酒場に報告だけするととぼとぼと家に帰りました。
 ある日、酒場へ出かけるとまたおばあさんからの届け物の依頼がでていました。
また少女に冷たい言葉を言われるのかと思うと、ぬーぬーの気持ちはしずみます。
でもこのクエストを誰も受けなかったなら、おばあさんは無理をしてでも自分で届けに行ってしまうかも知れない。
そうしたら…あの台詞を、今度はおばあさんが…?
そう考えた時には、ぬーぬーは再び届け物のクエストを受けることを酒場のおねえさんに告げていました。
またもおばあさんの手作りのお菓子を持って、ぬーぬーは少女の元へ向かいます。
でも…そう。もしかしたら、今回はおばあさんの気持ちが通じるかもしれない。
この間のお菓子は、きっとおいしかったに違いないのだから。
今度は喜んでうけとってくれるかもしれない。
でも。
「私に?ふぅん、ご苦労様。でも、これ嫌いなのよ」
少女の答えは、このまえとまったくおなじでした。
―――そんなことが何度かつづきました。
ぬーぬーはそのたび悲しい気持ちになっていました。
でも、そんなある日のこと。
「私に?ふぅん、ご苦労様。でも、これ嫌いなのよ」
(…あれ?)
ぬーぬーは気がつきました。
嫌いだといいながらも女の子は、一度だって荷物をぞんざいに受け取ったことなどないのです。
何度も届けているけれど、「もういらない」と受け取りを拒否したこともありません。
不思議に思って女の子を見つめていたぬーぬーは、女の子がぬーぬーに背を向け、扉を閉めるその一瞬、女の子の口元がほころぶのを見ることが出来ました。
今見えたものが何を意味するのかわからず、立ち尽くすぬーぬーの目の前に、家の横手から、庭仕事をしていたらしい一人のおばさんが姿を現しました。
「…あら?あぁ、あなたがいつもかあさんからの荷物を届けてくれる冒険者さんね。あの子はあのお菓子が大好きだから。いつもありがとう」
おばさんの言葉に驚いたぬーぬーは、慌てて聞き返します。
「あぁ…くすくす。素直じゃない娘でごめんなさいね。あの子、本当はとても甘えん坊で子供っぽい子なのだけれど。
それを友達にからかわれたらしくてね。それ以来、人前では気取って見せているだけなのよ。
あのお菓子だって、全部残さず食べているのよ」
おばさんの言葉にぬーぬーの顔が明るくなります。
おばあさんの気持ちは、ちゃんと通じていたんだ…!!
「私に?ふぅん、ご苦労様。でも、これ嫌いなのよ」
何度届けても、少女の答えは同じ。
でも、もう気になりません。

そして、今日も。
ぬーぬーはおばあさんからの荷物を少女に届けるのです。





おしまいw

えー、そんな感じであの少女はツンデレで、ゲーム内ではデレの部分が表れてないだけという脳内設定大プッシュです(おぃw)
これ、9月頃書いたものだったんですけど、その後ハロウィンイベントで少女にキャンディ届けてみたら、ツンデレっていうのあながち間違いじゃなかったかもとか思ったり…(笑)